自作小説 迷ってへたれて抱きしめて #2 「……着替えるか」 素敵なお声のおかげで心に温かみを取り戻した僕は、制服に着替えることにした。朝の時間ってやつはどうにも足が速いから、そうそうのんびりもしていられない。 着慣れたシャツ、ズボン、そして最後にブレザーへと袖を通すと、何だかふ 2013.02.02 自作小説
自作小説 迷ってへたれて抱きしめて #1 ――多分、ここまで先生に感謝したのは、中学生活を三年間過ごしてきて初めてじゃないだろうか。 シャーペンの音がはっきりと聞こえるくらいに、教室の中は静かだった。少し気まずいが、それ以上に幸せな時間が流れている。「寒いね、ここ」 彼女がふと手を 2013.02.01 自作小説