早すぎた梅雨明け、真夏のような気温から一転、連日の不安定な天気に「戻り梅雨」とも言われだした2022年の7月中旬。
しかしこの日――南條愛乃の誕生日を祝うこの日だけは、そんな雨の連鎖を断ち切るかのように、空には夏らしい青が広がっていた。そう、それはまさに、町が、いや、地球が、南條愛乃を祝っているかのようで……あるいは、「晴れ女」、「太陽神」と呼ばれる彼女の力に、この星が屈服した証だったのかもしれない。
何はともあれ、めでたくも天気に恵まれた2022年7月18日。神奈川県民ホール。
今回は、多くの南條愛乃ファン――「ごきんじょ」が久々に集結した、「第5回 ごきんじょるの町内会2022 ~町をあげてのお誕生日会~」の様子をお届けしたい。
※本イベントはディレイ配信(7/30~8/7までの期間)が決定しています。現地参加できず、ディレイ配信を楽しみにしている方は、一旦本記事は読まないことをおすすめします。南條愛乃が込めた演出を新鮮な気持ちでお楽しみください。
じゃんけん大会と物販とフラワースタンドと
開始時刻であるお昼12時を過ぎると、長く続いている待機列が前に進み始めた。コロナ禍に入ってからというもの、イベントやライブではグッズの事前通販が一般的となったため、ここまでの列を目にする機会は少なくなっていたのだが、今回はそんな「イベントらしい」光景を久しぶりに目にし、体験することになった。
照りつける太陽の下、じわじわと人の列が建物内に吸収されていく。コロナ前と違うのは、全員が感染対策として、きちんとマスクをしていることだった。
今回、列に並ぶ人々の主な目的は、グッズ販売ではない。もちろん、それも目当てにしている人はいただろうが、例に漏れず、このイベントでもグッズの事前通販は行われていたので、その数は少なかったと考えられる。彼らが、そして私が目的としていたのは、会場内で行われる「じゃんけん大会」に参加することだった。
「第1回 かいちょーVSごきんじょさんのじゃんけん大会」
――そう名付けられた大会のルールは簡単だ。かいちょーこと南條愛乃(のパネル)とじゃんけんをして、勝敗に応じて景品がもらえる。参加には「参加券」が必要で、「参加券」はFC会員全員に1枚配られている他、グッズの購入金額7,712円ごとに1枚(事前通販の場合。当日物販は10,000円ごと)もらえる仕組みとなっていた。
景品はチェキ風カード全3種。じゃんけんに勝てば2枚、あいこなら1枚、負けると、FCロゴが入ったポケットティッシュをもらうことができる。いずれも、このイベント限定と考えれば欲しいアイテムなので、はずれなしの大会だったと言って良いだろう。
私の結果は以下のとおり。
カードはどれも素敵で、涼しげな水色の衣装もよく似合っているのだが、やはり白なんじょーさんがお気に入りになってしまったことを白状しておく。南條愛乃は白がよく似合うのだ。
ともかく、じゃんけん大会は大盛況だった。南條愛乃パネルを持ったスタッフさんが4名いて、ハイペースでじゃんけんをこなしていた。じゃんけんは、参加券を何枚持っていようとも1回ずつで、もう1回やりたい場合には並び直しというシステムだったが、おかげで思ったよりも待たずにじゃんけんできたように思う。
その傍ら、今までのイベントと同様に、当日物販と、CD販売も行われていた。会場でCDを2000円以上買うとバースデー仕様のブロマイドがもらえることになっていたが、私はこのブログの「関連商品ページ」で写真を載せているように、全てのCDを持っているので今回は我慢した。
代わりに、フラワースタンド列に並んだ。フラワースタンドもまたイベントの企画のひとつで、ごきんじょさんたちからカンパを募ることでかいちょーに贈られたものだった。1口1000円。上限は6口。口数に応じてデジタルフォトがもらえるということもあり、私は反射的に6口購入していたが、購入者を示すボードにしっかり名前が書かれていた。
コロナ感染リスクを考慮して、お花受付を全て断るイベントが普通な中、「なんとかお祝いのお花を贈りたい」というファンの気持ちをくみ取ったよい企画だったと思う。フラワースタンド前でスタッフの方に撮っていただいた写真は、思い出として残るものとなった。
開幕はお部屋パートから
そんなこんなで、イベント本番開始前から色々と楽しみつつ、17時から、ついに公演が始まった。
ステージ上には、ソファやテーブルが置かれ、部屋の中を模しているようだった。壁には誕生日仕様の飾りつけもたくさんされており、華やかだ。
暗転から一転、そこに登場したのが、我らがかいちょー、南條愛乃。
その装いはグレーのパーカにグレーのスウェット、そして靴下という部屋着スタイル。南條ソロファンであれば、もはや安心すらする見慣れた格好だ。通常、女性声優の部屋着姿など、見る機会はほとんどないはずだが、何事も例外はある。
華やかなステージ衣装ではなく、スウェット姿でステージに上がって安心される希有な声優。それが我々の大好きなかいちょーである。
そんなかいちょーの登場に鳴り響く拍手を制し、静かになった会場で、まず南條愛乃が取り出したのは、お祭りなどでよく見る、いや、もはやお祭りくらいでしかお目にかかれない「吹くと音が鳴ってなんか伸びる笛」(「吹き戻し」という)だった。
静かな空間で、おもむろにそれを吹き始める南條愛乃。伸びる笛。沸き起こる拍手。――そのシュールな光景は、しかし、不思議と南條愛乃らしい一幕だった。
それを終えると、続いて始まったのは寸劇。まずは、「ピンポーン」とインターフォンの音が鳴り響き、
「はーい。……あっ、宅配便。そこ置いといてくださ~い」
と、しっかり置き配を依頼しつつ、配達員がいなくなったのを見計らってから荷物を受け取りに行く、リアルなやりとりが行われる。
「なんだろ~。誰かが送ってくれたのかな」
と言いつつ開封し、
「あ、違う自分で頼んだやつだ」
と言いながら笑いを誘う南條愛乃。こういう細かいネタが大好きすぎる我々は、早くも「南條一間」風の寸劇に見入ってしまっていた。
かいちょーは段ボールから、いくつもアイテムを取り出していく。
「本日の主役」タスキに、鼻眼鏡、パーリーピーポーなサングラスなど、ドンキホーテにありそうな定番グッズを楽しむ頃には、完全に「南條愛乃ソロ」の空気が完成していた。とても身近で、飾らず、クスリと笑わせてくるあの空気は、おそらく南條愛乃にしか出せないものだろう。
箱の中からもう1本の「吹き戻し」が出てきて、2本同時に吹いたときには、声優としての肺活量を見た気がした。
そんなグッズ遊びも終わり、続いてはボイスメッセージのコーナーが始まった。
南條愛乃を尊敬してやまない愛美さん、良い意味でテキトーで、仲の良さを見せつけてくれたシカちゃん(久保ユリカさん)、大天使かやのん(茅野愛衣さん)、そして、仲良し三人組、三色団子の一角であるひよっち(日笠陽子さん)の4名から、個性豊かなコメントが送られ、南條さんがそれにリアクションしていく。
シカちゃんの巧みな話術で「38歳」を連呼させられていたくだりは最高で、おそらく2022年、あれ以上に自分の年齢を連呼する女性声優は現れないだろう。いつもそうだが、南條愛乃の「まったく年齢を隠さない姿」は、世の中の女性に(男性にも)勇気を与えてくれる。何歳になろうと、素敵に生きている姿を見せてくれるのだから。
ソファで寝そべる姿(好き)なども披露しつつ、盛り上がったボイスメッセージのコーナーが終わると、再びインターフォンが来訪者を知らせた。
ステージ上部のスクリーンに表示されたのは、八木一美さん(ドラム)、星野威さん(ギター)、キタムラユウタさん(ベース)、佐々木聡作さん(キーボード)の、バンドメンバー4名。
「ヤーギーイーツで~す」
と言いつつ、誕生日パーティーに加わると、まずは我々観客(光でしか意思表示できないが、時々笑い声は聞こえる妖精)とともに乾杯をおこなった。
このように、本来は裏方的な側面が強いバンドメンバーが、南條愛乃の横に並び、同じようにファンから愛されているのも、南條愛乃ソロらしい一面である。
特製の特大ケーキが運び込まれ、“ごきんじょるのバースデーソング”がかいちょーの誕生日を盛大に祝う。今回、コロナ禍で観客は声を出せないため、事前に歌の音源を募集していたのだが、ファンの声を結集した歌は、思っていた以上に、ファンの想いが込もった歌になっていた。
ライブでの声を奪われて数年、久しぶりに、ごきんじょの声が大きく響き渡る会場に、参加した私自身もなんだか感動した。この想いは、間違いなく南條愛乃に届いたことだろう。
思い出などを振り返るトークを挟みつつ、のんびりと進む誕生日パーティー。そのうちに始まったのは、バンドメンバーを巻き込んだ斬新なゲームだった。
「違う楽器でも弾けるよね?」
と言いつつ始まった、即興演奏ゲーム。演奏する「人数」、演奏する「人」、演奏する「楽器」、そして演奏する「曲」をそれぞれくじびきで決め、その場で演奏してしまおうというゲームだったが、楽器の幅が広く、ウクレレや鉄琴といった、聞いたことのある楽器から、「クラッシャー」や「レインスティック」というような馴染みのないものまで含まれており、普段聴くことのできない音色で曲が披露された。
演奏した曲は、「スキップトラベル」、「リトル・メモリー」、「believe in myself」、「only my railgun」の4曲。
1曲目の「スキップトラベル」は、
“いろんなやり方がある わかってるつもりが 自分のことでアタマいっぱい 余裕がなかったな”
の歌詞が、慣れない楽器演奏に戸惑うバンドメンバーの心情にマッチしていて面白かったし、打楽器ばかりでお経のようになってしまった「リトル・メモリー」、心の弱さに負けそうになっている「believe in myself」、キタムラさんのリコーダーが荒ぶる「only my railgun」と、見所しかないコーナーだった。本当に仲間内で遊んでいるだけのような、そんな素敵な雰囲気漂う時間だったように思う。
笑いとカオスに彩られたゲームを終えると、南條さんのもとに1本の電話がかかってきた。
電話の相手は、なんと、現所属事務所・VOICE KITの社長本人。
その電話口で、社長から、神奈川県民ホールに呼び出されることとなった南條さんとバンドメンバーは、
「仕事だっ!」
と言いながらそそくさと自宅を出る。……という演出で、前半パートが終わった。
所属声優のイベントに社長が参加してくれる、というところから、新しい事務所の温かさを感じられた気がした一幕だった。
社長、ご協力ありがとうございます!
ライブパートで実感する「帰ってきた感」
かいちょー自らライブグッズを紹介する幕間映像を挟んで、再び舞台が暗転から戻ると、ずらりと楽器が並べられ、先ほどまでとは空気が一変していた。一気に「ライブ会場」になった空間に南條愛乃が登場すると、奏でられ始めたのは「飛ぶサカナ」。
先ほどグッズ紹介の映像にて、「持った感じはちょっと羽子板みたい」と評されたプレートライトの色が、海の色を表すかのように青系の色に変わっていく。
「飛ぶサカナ」は、デビューアルバム「カタルモア」に収録されている「原点の歌」のひとつだ。アニソンではないこの楽曲は、当然ながらアニソン系イベントで披露されることはないため、コロナ禍に入り、ソロ公演がなくなっていたここ数年、ライブで聴くことができなくなっていた。ゆえに、響き渡るこの曲を聴いて、「南條愛乃ソロが帰ってきた」ことを実感したごきんじょさんも多いだろう。
“My story has begun today”
コロナを乗り越え、南條愛乃ソロ、10周年の物語が動き出した瞬間だった。
南條愛乃らしい澄み切った高音が水平線の向こうまで響き渡り、会場の熱が高まり始めると、それを後押しするかのように流れ始めたのは「黄昏のスタアライト」のイントロだった。TVアニメ「グリザイアの楽園」EDテーマであり、かっこよさと疾走感でライブの定番曲でもある同楽曲が、観客の手拍子とともに会場を盛り上げていく。赤く照らすライトがその熱量を示すかのようで、プレートライトを振る腕にも力が宿った。
前半のお部屋パートで、なんとも頼りない「only my railgun」を披露したメンバーはもういない。舞台には、ソロとしても10年の経験を積んできた、輝かしいプロの姿があるだけだった。
2曲を続けて披露し、一旦MCパートに移る。どんなにかっこいい曲の後でも、しゃべり始めるといつものほんわかとした空気に戻るのが南條愛乃の良いところだ。
そんな彼女がまとうのは、すでにスウェットではなく、おしゃれなワンピース衣装だ。全体的にオレンジを基調として、青、水色、緑など、カラフルな色で山形パターンが繰り返された柄になっている。腕の部分は透け感のある素材で、白を基本色としつつも、水玉のあしらわれた可愛いデザインだ。
今回、誕生日イベントをするにあたり、ごきんじょの皆さんから好きな楽曲のリクエストを募集していたのだが、MCにて、上位曲を披露することが告げられる。
数あるソロ楽曲のなかで、何が選ばれたのか。わくわくして見守る中、演奏が始まったのは、全ごきんじょ納得の1曲だった。
「idc」だ。
「idc」は、2ndアルバム「Nのハコ」に収録されて以来、その可愛さで人気を博している曲である。同アルバムをひっさげておこなわれたソロ初の全国ツアー「南條愛乃 LIVE TOUR 2016 “N”」で披露された、白いニット帽と白い衣装の南條さんが躍る同曲が、目に焼き付いている方も多いだろう。
あれから6年。32歳から38歳になった今も可愛さは健在で、紫やピンクに彩られる会場にて、「idc」が響き渡っていた。この曲では、“Bad girl? idc!!”の部分が毎回違う台詞になるのが恒例だが、今回はなんと言ったのか。知らない方は、ディレイ配信にて見てみてほしい。
その後に始まったのは、「Simple feelings」だった。この選曲にも妙に納得してしまう。会場が瞬く間に水色に変わるが、この色が誰を表しているかは、この楽曲に込められたものを知るファンにとって、今さら説明するまでもない。
(と、おしゃれにキメても良いのだが、ご新規さん向けに説明しておくと、『ラブライブ!』にて南條愛乃が演じた「絢瀬絵里」のテーマカラーが水色であり、彼女を示している。この曲は2016年、シングル『ゼロイチキセキ』のカップリングとして制作されたが、当時は、『ラブライブ!』内ユニット「μ’s」が、人気絶頂の中ファイナルライブを迎えたタイミングであった。そんな背景もあって、この曲の歌詞には「絢瀬絵里」の気持ちが詰められている。TVアニメ内で絢瀬絵里がμ’sに加わることになった第8話「やりたいことは」のワンシーンを思い浮かべながら聴くと、「泣き顔を見せたあの日」を一緒に振り返れるかもしれない)
この曲が上位に入るということは、すなわち、未だ「伝説のアイドルグループ」に想いを馳せるファンが多いという証拠なのだろう。あの作品から「南條愛乃」を知ったファンの数が多いことを示してもいる。何年経ってもあの青春が輝き続けていることを示すように、「Simple feelings」を演奏する舞台は、9色のライトで彩られていた。
再びMCを挟んで、今度は椅子に座りながら、しっとりと披露されることになったのは、「繋がりの歌」だ。この曲は、ライブアルバム「LIVE A LIFE」に新規曲として収録された楽曲で、元々は、日常を過ごす中で、時折ライブという場所に集まる、ファンとの関係性を描いた楽曲だった。
だが、コロナウィルスの猛威によって、毎年当たり前のように開催されていたライブができなくなるという経験をしてきた今、そのメッセージの受け取り方が少し変わってくる。
“元気にしていたかい? 久しぶりだね 少し変わったかな”
冒頭の歌詞が、すでに現状とリンクしている。今回のイベントはまさに、南條ソロとしては久しぶりの出来事で、すでに書いてきたとおり、久しぶりに披露される曲ばかりだ。世の中は、少しどころか大きく変わり、今も完全に乗り越えたとは言えない状況が続くが、「元気にしていたかい?」という言葉が、そっと心に寄り添ってくる。
今回、この曲は、一部の歌詞が“コロナ仕様”に少しだけ変えて歌われた。歌詞に含まれる「声」が「光」に変えられたのだが、これは言わずもがな、声出し禁止ルールの中で、ペンライトによってコミュニケーションしてきたことを表してのことだろう。制限されたからこそ生まれた在り方のひとつだ。
“離れていても いつか帰る場所があるね”
という歌詞にあるとおり、私を含め、ごきんじょの面々は、この空間に帰ってくることを願いながらコロナ禍を過ごした。長期化するコロナ禍で、我慢の期間は思いのほか長くなってしまったが、今回、ようやく帰れた思いがした。
そして、続く次の曲。
「and I」もまた、「LIVE A LIFE」に収録された新規曲であり、同じコンセプトの歌だったと言えよう。直訳すれば「と、私」となる同曲だが、示されていない部分には、我々ファンがいると信じていいはずだ。
我々目線でもあり、南條愛乃目線であるとも言えるこの曲もまた、今だからこその感情を呼び起こしてくれた。
“飾らないそのままの きみでいてほしい”
“たとえば 孤独を感じても 怯えないでいて そばにいる ぼくの温度 信じてね きみとともに生きてる”
これは、作詞した南條愛乃の言葉であり、我々の言葉に違いない。
我々ごきんじょるの友の会一同は、飾らない南條愛乃を愛し、南條愛乃を支えに、そして、南條愛乃を支えながら、ともに生きているのである。
そしてイベントは終盤へ
様々な気持ちが頭に浮かんだ2曲を経て、ライブパートの最後は、アコースティックでの披露が初となる「EVOLUTiON:」だった。南條愛乃ソロ10年で「初の」TVアニメOPテーマとして話題となった楽曲が、楽器の生音で熱く表現され、また、それに負けないくらいに力強い南條愛乃のボーカルが、胸を強く打ってくる。
しめやかな雰囲気は良い意味で一掃され、気持ちの良いライブの締めとなったが、それで終わらなかったのが今回のイベントだ。
挨拶ののち、バンドメンバーと、そして南條さんが一旦ステージからいなくなると、舞台は暗転し、スクリーンが降りてきた。エンドロールとして映し出されたのは、これも企画の一環として、ごきんじょの面々から集められた「かいちょー!お祝いフォト」。
スライドのように次々と表示される素敵な1枚1枚に、オーディオコメンタリー形式で、南條さんがリアクションをしていた。
各自が工夫を凝らした写真の数々は、聖地巡礼したもの、「祭壇」をつくるもの、お菓子をつくるもの、イラストを描くものなど様々だったが、一様に、南條愛乃へのあたたかい想いに満ちていた。写真1枚を撮るために、どれだけの時間を費やしたのかは分からない。だが、きっとその時間は、南條愛乃のことを考えていたに違いなく、それが伝わってくる写真たちだった。
それが終わると、再び南條愛乃が登壇する。テーブルが用意され、様々なグッズが並べられる中、全く予期せず始まったのは、「ごきんじょるの大抽選会」だった。
座席番号をもとに抽選を行い、当選者に景品をプレゼントするシステム。用意された景品は豪華で、以下のとおりだった。
・「EVOLUTiON:」サイン入りポスター(座席情報に基づいた個人名入り)
・「A Tiny Winter Story」サイン入りポスター(座席情報に基づいた個人名入り)
・「ヒトリとキミと」サイン入りポスター(座席情報に基づいた個人名入り)
・本イベントのサイン入りパンフレット(座席情報に基づいた個人名入り)
・パンフレット撮影等に使用した「38歳仕様ケーキパネル」
・FINAL FANTASY XIV ゲームカード(90日分)
FF14のゲームカードが含まれているのは南條愛乃らしいと言えるだろう。ともあれ、サイン入りポスターや、世界にひとつだけしかないパネルがもらえるとあって、ドキドキしながら、固唾を呑んで抽選を待つことになった。
結果として、残念ながら私は当選しなかったが、当選者の方々はもちろん、会場全体をわくわくさせてくれた幸せな企画だったと思う。
そして。
迎えてしまった、本当に本当の、イベント終わり。最後は告知タイムだった。
このブログでは前回の記事にて、わりとがっつり今後のイベントについても触れたので、今回は告知内容を割愛するが、月末に京都で予定しているコンサートや、「A Tiny Winter Story」をひっさげてのソロツアー、真の“南條愛乃ガチャ”である「デジクジゴキンジョ vol.1」についてなど、もりもり盛りだくさんな告知がおこなわれた。
南條さん本人も言っていたが、コロナを経た今となっては、「未来の告知」がたくさんあることに幸福を感じずにはいられなかった。改めて、始動した10周年を感じ、さらにその先も予感させる良い告知タイムとなったように思う。
まとめ ~ここまでレポートを書いて~
私事だが、イベント翌日となる本日7月19日は仕事を休みにしていた。結果的にそれは正解で、丸1日かかってしまったものの、少し疲れの残る体を休めながら、ここまでしっかりとレポートを書ききることができた。
色々と個人的な想いも入りまじったレポートになったが、一言でまとめるなら、「嬉しい」イベントだったと思う。
ソロとして、大規模なイベントは長らくなかったわけで、その分待望していたのだから、この気持ちは当然なのかもしれない。だが、この嬉しさは、ただ「待っていたから」というだけではなかった気がした。
何度も書いたが、「帰ってこれた」嬉しさもあったし、「変わらない」嬉しさもあったし、祝える「嬉しさ」もあった。もちろん、南條さんやバンドメンバーに会える「嬉しさ」もあって、……そしておそらく、何よりも、みんなで集まれることに対する「嬉しさ」がそこにはあった。
たくさんの「嬉しい」が重なったイベントだったように思うのだ。
じゃんけん大会、大抽選会といった当日の企画もそうだし、歌の募集やフラワースタンドのカンパなど、とにかく「みんなで一緒に」やれる企画の多さが目立っていて、それは、南條愛乃がソロ活動を始めて以来、大切にしてきた空気感そのままなのではないかと思う。
今回のイベントは、「ごきんじょ」の名の通り、とても身近で、対等な、「南條愛乃とファン」の関係性と、それを大切にしようとしてくれる南條愛乃の姿勢が見えるイベントだったと言えるのではないだろうか。
この姿勢が良い意味で変わらない限り、このあたたかい関係は、いつまでも続いていくと信じている。
ふぁいん
コメント