南條愛乃に食べられる……だと?「食人音ASMR」という衝撃

2021年6月14日に、私のもとへと届いた「とある音声ASMR作品」のニュースは、衝撃と混乱のまま、私を購入ページへと誘った。

もちろん買った。わけも分からぬまま買った。この5年間、とりあえず「南條愛乃」が関わっているのなら、ひとまず買うというのが私のポリシーだった。しかし正直、この5年間で一番戸惑いながら買った気がする。

この戸惑いは、この手の作品に対する偏見からくるのものではない。ASMRというジャンルは当然認識していたし、天才達の生み出したフェチでマニアな音声作品が色々あることも知っていたから、むしろ私のスタンスは寛容かつ肯定的であると言っていい。きちんと音声作品を聴いたことはなかったが、あえて聴覚から訴えることによって、逆に色々と妄想が捗ってしまうということがあるのは想像に難くなかった。音だけということは、ビジュアルはある程度、個々人の理想を反映できるということなのだから(もちろん、イメージとしてのキャラビジュアルなどはあるにせよ)

ただ、今回は一瞬、理解の範疇を超えた。早い話、

女子高生な妹に “食べられる(物理)” 「食人音ASMR」ってなんや!

と思った。

まさかそんな、人類の持つ倫理観に真っ向から反抗してくる音声作品があっていいのだろうかと考えて、しかしそこで私は思い当たった。

こういう作品というのは、現実では超えられない倫理観を、二次元の中で超えるからこそ需要があるのだ、と。

というわけで今回は、そんな革新的なASMR作品、「Dead of Dead ~こんなヒーローになるくらいなら死んだほうがマシかもしれない~」第1弾「上木流奈編(CV:南條愛乃)」について、私の文章力の限りを尽くして語れるだけ語っていこう。

あらすじ:斬新すぎる「人類の救世主」

本作品における主人公、すなわち「聴き手」は、人類を救うヒーローである。

通称 “DeDe”と呼ばれる未知のウイルスへの抗体を持った、唯一の存在こそが主人公であり、彼の存在が、人類の持つ最後の切り札と言っていい。……言っていいのだが、彼の宿命は非常に困難だ。

“DeDe” は、人間に「食人衝動」を与えるウイルスである。これに感染すると、通常の食事では味も匂いもしなくなり、満腹感すら得られなくなる。そのため、感染者は飢餓感を抱えることになるのだが、それを埋めてくれるのが唯一、「食人」という行為、というわけである。

では、主人公はそんな人たちをどうやって救うのか。……もうお分かりかもしれない。

つまり、「食べられればいい」のだ。抗体を持った主人公の肉を食らうことで、患者たちは救われる。彼は人類のために、文字通りその体を捧げなければならないというわけだ。

まさか、「食べられる系」ヒーローが誕生するとは、と私は思った。人を救うために自分の一部を食べさせるなんて、某国民的あんパン系ヒーロー以来である。ただ、安心して欲しい。某ヒーローと同じように、この主人公も、食べられた肉体の再生は可能だ(それでも痛いとは思うのだが……)

詳しいあらすじは、公式サイトにて確認して欲しい。

第1弾詳細:上木流奈編

本作品の構成は以下のようになっている。

  • 01:妹、上木流奈 (1:57)
  • 02:覚醒(食人衝動の暴走) (8:41)
  • 03:右腕・骨 (21:18)
  • 04:左脚・骨 (21:18)
  • 05:右脚・骨 (19:52)
  • 06:左腕・骨 (17:47)
  • 07:頬 (15:23)
  • 08:右耳と左耳 (15:44)
  • 09:食後に (2:29)

主人公(聴き手)は、計2時間4分26秒もの間、女子高生な妹に食べ続けられることになる。

「食人音ASMR」なので、もちろん様々な咀嚼音が右から左から流れてくる。右腕を食べているときは右から、左脚を食べているときは左からというかたちなので、左右の移動が頻繁に起こるわけではないのだが、その分、右耳だけ、左耳だけに集中して聴くことができる。

肉だけでなく骨をかじる音も含まれているので、肉汁溢れる音ばかりでなく、カリカリとした小気味良い音も聴くことができるのは大きな特徴だろう。ただし、溢れているのは肉汁というより血液で、小気味良い音を立てているのは、不気味な人の骨なのだが。

しかしもちろん、一番の魅力は、上木流奈を演じる南條愛乃のボイスが、これでもかと含まれていることだろう。当然、購入者の中には、他人の咀嚼音が好きという上流紳士の方々もいるだろうし、もしかすると、食人というシチュエーションに大きな興奮を覚える危険なおともだちもいるかもしれないが、こんな攻めた作品を買う人間の多くは、南條愛乃のボイスに期待してのことだと思う。

そしてそこに関しては、なんじょるオタク、南條愛乃ファンとして、あなたの期待に添えるクオリティに仕上がっていることを保証しよう(盲目的に推している奴の保証にどこまでの価値があるかは分からないが)

この作品を聴いていると、優しい性格、優しい口調の妹に、南條愛乃の透明なボイスがあわさって、食人音なのになぜか癒やされるという不思議事象が巻き起こる。

これがASMR(Autonomous Sensory Meridian Response:自律感覚絶頂反応)か!

と、私は思った。前述したとおり、咀嚼音自体も小気味良いので、なんだか徐々に「自然の環境音」的なリラックス効果を感じられるようになるのだ。また、やっていることは猟奇的なのに口調は優しいので、ヤンデレ的な要素も多分に含んでいる。ヤンデレ好きにもおすすめしたい一作だろう。

もちろん、ASMRの醍醐味(たぶん)である、囁きや吐息も存分に楽しむことができる。台詞にも随所にこだわりが感じられ、充分に教育を受けてきた紳士のみなさまであれば、狙ったかのような台詞の数々が、色々と脳内で変換されること間違いなしだ。

また、音声作品として最も素晴らしいと思ったのは、食人パートのラストを飾る「右耳と左耳」だ。ここは必聴。感心する演出となっている。

どういうことかは、少し考えてみれば分かる。ASMRは音なわけだが、音はどこで聴いているだろうか。……そう、耳だ。そしてこのパートでは、その耳が食べられるわけで……どうなっているかは、みなさま自身で確かめて欲しい。

購入はこちらから:発売記念割引は7/11まで!

ここまで読んで興味を持ったみなさまは、ぜひとも購入を検討して欲しい。本記事は特にプロモーションではないので、別に購入いただいたからといって私に金銭的な得はないのだが、南條愛乃ファンとして、推しの関わった作品が少しでも多くの方々に聴かれるのは嬉しいことだ。

また、もし悩んでいるのなら、決断は早く行うことをおすすめする。通常価格1980円の作品だが、今なら発売記念割引として、20%オフの1584円で購入することができる。

期間は7/11まで。どうせなら南條愛乃の誕生日である7/12までにすればいいのに、とは思ったが、とにかく残り1ヶ月もないので、まずは視聴して、検討するところから始めよう。

余談:南條愛乃ファンとしての感想

というわけでこんばんは、ふぁいんです。

ここからは普通に私の感想を書いていこうと思うんですが、作品に対しては概ね上記したとおりなので割愛して、「なんじょるオタク、南條愛乃ファンとして見たときのこの作品」について、触れていこうと思います。

まずは本当に、まさか、と思いました。南條愛乃名義でこんな攻めた音声作品が出てくるとは思っていなかったので、記事を見たときは「どういうこと?w」と、さすがの私も草が生えました。

ただ、冒頭にも書いたとおり一旦買うだけ買ったわけなんですけど、それを、ふと目覚めてしまった深夜2時から聴き始めまして、右腕あたりをもぐもぐしているらへんで、「あ、これブログにしたいやつだ」と思い立ち、そこからは聴きながらこれを執筆していました。

なぜ書きたくなったかというと、理由は2つあります。

1つは、思っている以上に面白い作品だったから。

この作品は、「食人」というシチュエーションではあるものの、主人公はしゃべらないし悲鳴も上げないので、意外とマイルドで、終わり方もハッピーな感じの作品です。

本編部分では「自然の環境音的」と評してみましたが、ほんとにそれくらい、中身はなぜかほんわかしているので、そのギャップが面白くて、「これって南條愛乃が演じているからっていうのもあるんじゃないか?」と思ったので、伝えたくなって書きました。

ただ、私は、色々な作品を自分で書いているというのもあって、サイコパスで猟奇的な、いわゆるリョナ的耐性は多分そこそこあるほうだと思います。ゆえに、この「マイルド」という評価がどこまで信頼できるかは自分でも分かりませんが、おそらくきっと、耐性の少ないみなさまにも楽しんでいただけると思っています。

それになにより、南條愛乃✕「もぐもぐ音」の相性が素晴らしい。普段からラジオでも色々食べながら放送したりして、「もぐもぐ」しているなんじょーさんですが、まさか食人音でもその良さを感じるとは思いませんでした。南條愛乃がもぐもぐしていると、なんでこう、平和な空気が漂うのだろう、と改めて認識した次第です。食人で認識するものではないかもしれませんが笑

そして2つめの理由は、音声では語れなさそうだったからです。

このASMR作品について、先日紹介記事を書いた「HEAR」のラジオなどで語ろうかとも一瞬思ったのですが、内容的に「健全」と言っていいのか分からない危険もあったので、万一何かの規約に引っかかると困るなあと思い、ブログにしました笑

自分のブログなら、ある意味本当に発言は自由ですからね。書き始めたらノリノリで書けたので、今は書いて良かったなと思っています。こんなの、深夜テンションでないと書けないですから笑

ともかく本当に、色々な意味で衝撃で、面白い作品だったので、もし、ちょっと興味を持ったのであれば、ぜひ聴いてみていただきたいなと思います。価格もまあ、社会人ならそれほど高くないというか、シングルCD1枚くらいなので、手を伸ばしやすいかなと思いますしね。

そしてどうやらこのシリーズ、第4弾まであるらしいので、今後もキャスト次第では買ってしまうかもしれないなと思っています。それくらい面白い作品でした。

ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました