Kindleで発売中の短編集『白紙文学』に参加しました

 ――あれは、2026/1/6のこと。

「ちょっと厚かましいお願いなんですけど、短編小説をひとつ、ウチの文芸サークルで出せませんか」

 正月休みの余韻を引きずる私のもとに、5年来の盟友からそんな連絡が飛んできた。

 この人はいつも突然だな……と思いつつ、カレンダーを見る。今週を駆け抜けると、その先に赤い月曜日が見えた。嫌われ者の黒い月曜日とは違い、赤いやつは大好きだ。私は少し考えて、こう返した。

「いいですよ。幸い今週末は三連休なので、そこでパッと書いたやつくらいで良ければ」

 こうして私、柚坂明都は、友人吉村トチオの同人誌に参加することが決まった。

『白紙文学』発売

どうもこんばんは、シナリオクリエイターの柚坂明都こと、ふぁいんです。

今回は記事タイトルにあるように、Kindle本の宣伝です。

小説風に書いた経緯の通り、私、同人誌に参加しまして。

それがこのたび発売になりましたので、お知らせさせていただきます。

白紙文学 電子書籍: 白紙文学, 柚坂明都, いけだ, 三片門重, 吉村トチオ: Kindleストア
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¥ 100
2026/04/19 時点の価格
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※ 価格は変動する場合があります。最新の価格はAmazonでご確認ください。

価格は100円、しかもKindle Unlimitedご契約の方であれば無料で読めますので、Amazonポイントが100ptほど余っている方、Kindle Unlimited契約者の方は読みやすいのではないかと思います。

もちろん、100円払ってくださる方も大歓迎ですが、あくまでアマチュア集団の書いた同人誌なのをお忘れなく。とはいえ個人的には、さすがに100円分以上の価値はあると思います。

特に私のシナリオを日頃から読んでくださっている方であれば、「らしさ」は十分に感じていただけると思いますので、よろしければお手にとっていただけると幸いです。

収録されている作品は4作品。あらすじと、私の感想をまじえつつご紹介いたします。

1. 海辺を走る男女三人(吉村トチオ)

【ふぁいんさんの感想】
ジャンルとしては “サスペンスホラー” になるのかなと思います。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、殺人事件にホラー・オカルト的な要素を掛け合わせた作品になっていて、一連の不可思議な出来事を通じて、草介が持つ愛情故の利己的な執着心と、マナの精神的な危うさを表現した作品になっていると感じました。皮肉の効いたオチはコミカルさを含んでおり、それでいて残酷ですので、吉村トチオを知る私としては「らしさ」を覚えましたね。

作品全体としては、ひとつの短い場面が次々に切り替わっていくような構成になっており、文学というイメージと比較して、かなりテンポ良く読めるのが魅力かと思います。最初の収録作品として、読み手にハードルを感じさせない文体になっている印象です。ただし読書家の方からすると、逆にそれがチープに見える可能性はありますね。短編にしては少々細切れが過ぎるかな、とも思いました。そういった点含めて、感想いただけると喜ぶと思います。

2. 境界線の栞(柚坂明都)

【ふぁいんさんの感想】
自分の作品なので感想というのもおかしいのですが、自己評価としてはよく書けた部類だと思っています。100点とは到底言えないまでも、人様にお金を払っていただいても良いだけのものは書けたつもりですね。お気に入り作品の仲間入りをしました。

ジャンルとしては “ディストピアSF” になるのかなと。とはいえ読み味としては前向きで、明るいものに仕上がったと思っており、暗く不快な印象はないかと思います。どちらかというと未来パートより、前半の現代パートのほうが苦しい気持ちになるかも笑

詳しくはラジオでも語っていますので、裏話などご興味がある方はそちらでどうぞ。

3. メイメイ(いけだ)

【ふぁいんさんの感想】
作者のいけださんは、今回の短編集において私が唯一知らない方で、興味深く読ませていただきました。ジャンルとしては、難しいですが “エロティックホラーヒューマンドラマ” とでも言うのがよいでしょうか。

砂に埋もれ、上半身の一部しか露呈していないという謎の美しい女の存在は、口裂け女や八尺様などといった街中の怪異を想起させるものです。彼女は幼い良介を誘い、良介はその色香に溺れていきます。母性への憧憬を持った幼い少年が性に目覚め、成長するごとに黒い欲望に支配されていく様子を表現した作品となっており、4作品の中では最も直接的でエロティックでしたね。エロを通じた成長というものを巧みに描いた作品となっています。表現的に忌避感を覚える方もいそうではありますが、個人的に文学とエロは切り離せない印象(偏見)を持っているため、さもありなん、というところ。

ひとつだけ言わせてもらえば、オチだけは少々残念に思いました。読まないと分からない感想ですが、

アパートが建ったところで終わっておけばとても綺麗だったのに。

というのが率直な感想です。そのあとの部分は、個人的には蛇足に感じましたね。独自の世界観をうまく構築できていたのに、安っぽく、ありきたりなオチになってしまったかなと。はじめましての挨拶すらしていないのにこんなことを言うと二度とコラボしてくれなさそうですが、感じ方は人それぞれですのでご容赦いただきたく……笑

ぜひあなたもご一読いただいて、どう感じるかをお確かめください。

4. 詩的で私的なスポークスマン(三片門重)

【ふぁいんさんの感想】
昨今、無視できない存在となっているAI。私も私でそこから着想を得て未来を予想したわけですが、三片さんもまた、別の方向で未来を描いていました。それがこの作品です。

人間社会の変容や経済からの開放を軸に描いた私とは違い、この作品はより身近な問題をテーマにしています。創作物のあるべき姿とは何なのか、クリエイターとは何なのか、そういった問いに対するメッセージを感じる作品になっていると思います。

ジャンルで言うと “社会派近未来SF” といったところ。ここまでの3作品には共通するテーマとして「愛情」があったのですが、そこから外してくるのもまた、三片さんの良さだと思いました。言ってしまえばありきたりですからね、愛というテーマは(人間から切り離せないものではありますけど)

表現力、描写力、文章力、キャラクター性、メッセージ性など、全てが高いレベルにある作品でした。ジャンルとして近かったからこそ、正直言って負けたなあ、という感じです。特に読みやすさはこちらのほうが圧倒的に上かと。最後にふさわしい作品でした。

終わりに

改めて、文芸サークル「白紙文学」が贈る同名短編集『白紙文学』、皆様よろしければお手にとっていただければと思います。

紹介がてら感想を述べてきたことで、なんとなく私の中でどういう順位付けになったのかも透けて見えてしまったような気はしますが笑

とはいえ、評価するのは受け手である皆さんです。あくまで私の中ではこういう評価になったというだけで、嗜好性は人それぞれですから、あまり引っ張られず、素直に味わっていただければと思います。

なお、そもそも「白紙文学」ってどういうサークルやねん、という点に関しては、私もよく分かっていないのでお答えできません笑

もしかすると書籍版では、あとがき等々で語られているのか……(ふぁいんさんは最終稿の本文部分のみPDFで読ませていただいたのみなので、書籍版がどうなっているか正確には知りません)

メンバーは5人いるというのをうっすら聞いたのですが、蓋を開けてみたら2人しかいなかった(いけださんと私はゲスト)ので、もしや5人いるというのはトチオさんの妄想なのではないか、と疑っています笑

あとの3人が今後出てくることはあるのか、そもそも次があるのかすら分かりませんが、もしよろしければ応援してあげてください。

そして最後に、トチオさんへ。

こういう同人誌に寄稿するのって、マジで10年振りくらいだったので楽しかったです。

ありがとうございました!

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