南條愛乃3rdフルアルバム “サントロワ∴” を語る【メインCD編】

どうもこんばんは、ふぁいんです。

今回は、【特典確認編】に続く「サントロワ∴」レビュー記事第2弾。いよいよ、楽曲についての感想を述べさせていただきます。

雑誌やニコ生から得た「かいちょーがこのアルバムに込めた想い」の情報を踏まえつつ、ふぁいんさんの主観で全12曲、レビューさせていただきますので、まだ聴いていないという方で、自分の第一印象を大事にしたいという場合は、ぜひ聴いてから読むことをおすすめします。

まずは基本情報。「サントロワ∴」って?

このアルバムを購入された方ならばほとんどの場合ご存じかと思うのですが、一応曲の感想に入る前に、そもそも「サントロワ∴」ってなんぞや、という点をおさらいしておきましょう。

・「サントロワ∴」というタイトルの由来

「サントロワ」とは、日本語の「さん(3)」とフランス語の「トロワ(3)」を組み合わせたかいちょーの造語です。数字のなかで最も「3」が好きだというかいちょーが、「33」歳の誕生日に「3」rdフルアルバムを発売するにあたり、「3」にとことんこだわったアルバムにしたいということでこの言葉を生み出しました。

日本語にフランス語をくっつけた理由は、死ぬまでに1度はフランスのノートルダム大聖堂に行きたいという想いから。「333」と3つ揃えたくて、最初は「サントロワ ほにゃらら」と、もう一語「3」を表す言葉をつけるつもりだったそうですが、「サントロワ」という語句の響きがすでにしっくりきていたので路線変更。スマホで記号を調べたところ、3つの点で構成された「∴」を発見したので最後につけてみた、という経緯のようです。

そのため、かいちょーは当初「∴」の意味を知りませんでした。後になって、プロデューサーから「ゆえに」という意味があることを告げられ、そこで初めて「33歳ゆえに出せたアルバム」という意味合いになっていたことが判明。図らずも素晴らしいタイトルをつけてしまったかいちょーのセンス、さすがの一言です笑

・アルバムコンセプト

「30代の”参”考書」というコンセプトがあります。かいちょー自身、33歳になったばかりであと6年間は30代。そこで、そんな30代をより良くするためと言いますか、30代へのエールになるようなアルバムにしようということで、このコンセプトに定まったそうです。

具体的には、30代以上の女性に「30代ってどうですか?どうでしたか?」と質問を投げかけ、曲というかたちで返答をもらったということ。つまり、現在活躍中の女性作家さんたちが各々考えた「30代」のかたちが、このアルバムには詰まっているのです。中には曲だけではなくコメントで返答をくれた作家さんも多くいたようで、それも踏まえて今回のアルバムは制作されました。

レビュー前編【1~4曲目】

それではレビューを書いていきます。今回、かいちょーが作詞した曲と、女性作家さんが作詞した曲がありますので、それも踏まえて書かせていただきます。

もし良ければ皆さんも、改めて「サントロワ∴」を聴きながら聴いてみてくださいね。

■1. It’ll be dawn soon.(作詞作曲:川田まみ)

直訳して「もうすぐ夜明けだよ」というこの曲。一番最初に聴いたときは、どこか壮大さを感じるメロディーと、かいちょーの美しく伸びやかな歌声が心地よくて、じっと無言で聴き入っていました。そこから歌詞にも注目してみましたが、僕なりに要約すると「暗い夜が明けるように、悲しみや辛さもじきに過ぎるよ」ということを歌っている歌詞で、テーマ自体は昔からある感じかなと。ただ、この曲の良いところは、ただ「悪いことがあったら良いこともあるさ」と言うだけでなく、まさに「夜明け」、すなわち、今日が終わって明日になるように、着実に前に進んでいる様子が歌われていること。「おはように置いていこう」という一節から、それを強く感じました。

雑誌などでかいちょーが、この曲は午前2時くらいから午前6時くらいのイメージでアレンジしてもらった、ということを話していますが、曲としてはまさにそんな感じ。かいちょーの狙い通り、曲が広がって盛り上がったところで、すっ、と終わっていて、非常に綺麗です。かいちょーの要望に応えたアレンジャーさん、その仕事っぷりを尊敬します。盛り上がったところで終わる分、次の曲にもつながりやすくて、1曲目にぴったりですね。

■2. 誇ノ花(作詞:南條愛乃 作曲:丸山真由子)

和風テイスト。第一印象はそれでした。個人的にこういう曲が好みなのもあり、初めて聴いた瞬間から「あ、好き」ってなった曲です。「30代女性の強さ」を表現したそうですが、歌詞を見るとそれが一目瞭然ですね。僕が好きなのは、「あなたの背を追うように 似てるところが増えていく」という一節。つまりお母さんのことを歌っているわけですが、やっぱり「強い女性」と言って誰もが浮かべるのが自分の母親。ついつい小さい頃のことを思い出してしまいながら、こっそり母親に感謝した1曲でした。かいちょーの歌声も、1曲目と違い、より力強さを感じるものに変わっています。「夜明け」からの「咲き誇る花」……素敵な流れです。

■3. ユアワールド(作詞:南條愛乃 作曲:しほり)

楽しい1曲です。いやほんと、そんな感じです。曲の入りから、「あ、楽しい」ってなります。表現が難しいので聴いてもらうのが手っ取り早いですが、壮大だった1曲目、力強い2曲目と比べると良い意味で軽くて、日常感があって、全体的に明るくて、……うん、やっぱり楽しい曲です。1曲目と2曲目がぐっと力のこもった印象だっただけに、ちょっとリラックスできるというか、一緒になってリズムにのることができる曲かなと思いました。「ドキドキもしようよ そしてワクワクもしようよ」という歌詞がありますが、ドキドキ、ワクワク、キラキラと、1日を笑顔で楽しんでいるのが伝わってくる曲だと思います。

また、かいちょーはこの曲に「無条件に応援できる曲にしたい」という想いも込めたそうです。それが「信じてみて 明日のあなたのこと」という部分。ちょっと不安になったり、自信を失ったりしたときに聴くと元気が出そうですね。

■4. 逢えなくても(作詞作曲:奥華子)

ピアノで奏でられる、大人の切なさを感じるこの曲。正直すごい好きです。かいちょーの歌のなかで恋愛が歌われることって珍しい印象なんですけど、かいちょーの歌声ってこういう切ない恋のバラードによく合っている気がします。とりあえずひとつ言えることは、奥華子さんの「大人の女性力」がものすごいということ。このコラボレーション、また次のアルバムとかでも聴きたいですね。

大人になって、色々上手くできるようになっても、人と人とのことだから、恋はやっぱり難しい。素直になることのこわさ、それゆえの切なさを、かいちょーの歌声を通じて存分に味わえる1曲です。

レビュー中編【5~8曲目】

■5. 螺旋の春(作詞作曲:橋本由香利)

これはとにかく歌詞が良い1曲です。「去年と同じじゃない?って思っても、螺旋階段のように少しずつ上に昇っていけているのが人生」という橋本由香利さんの言葉に、「なるほど!」と思ったのはかいちょーだけではありません。僕もとても勉強になりました。いやほんと、橋本さんのことは何も知りませんが、この言葉を読むだけで「先生!」と呼びたくなりますね笑

そっと背中を叩いてくれるバラード、聴くだけでちょっと強くなれた気になれるこの曲は、まさしく「30代の参考書」というコンセプトぴったりだと思いました。

■6. pledge(作詞作曲:川田まみ)

いきなりのロック調というかバンドサウンドバリバリでかっこいい1曲。ここまでがどちらかというとゆったりめで、座ったまま目を閉じてじっくり聴いているような感覚だっただけに、打って変わったノリの良いサウンド、ギターの音に、立ち上がりましたし目も開きました。いや、もちろん感覚のなかでの話です。

曲調に伴って、かいちょーの歌声も力強いですね。これはぜひライブで聴きたい1曲です。「止まれないんだ 夢も希望も明日を待っている」という、突き進んでいくスタイルの歌詞がお気に入りです。

■7. ゼリーな女(作詞:KOTOKO 作曲:井内舞子)

曲調も面白いし歌詞も面白い。このアルバムのなかで確実に存在感を放っている1曲です。歌っているのは女性の内心や本音。「idc」のときもそうでしたけど、なんというかこう、聴いていて「やっぱ男って女性に勝てないな」と思わされる1曲ですね。

すごく好きなのが、「期待通り振る舞うとか 実は上手く出来るんだ でもあえての不機嫌モード」という部分。男目線だと「いや勘弁してくれ」と思うわけですが、不思議とそう思わされるのもいいかな、みたいな気持ちになってしまうのが謎です。女性に翻弄されたいほうなんですかね、僕笑

ちなみに「ゼリーな女」というユニークなタイトルですが、作曲の井内さんが持つかいちょーに対してのイメージ、「南條さんは疲れた相手にこっそりウィダーinゼリーとかくれそう」が由来みたいですよ笑

■8. OTO(作詞:山本メーコ 作曲:未知瑠)

かっこいい曲だなと思いつつ、実は個人的に、今回のアルバムの中で唯一まだ魅力を言語化できない曲です。歌詞にビルの描写があることと曲調から、なんとなくイメージとして都会の夜っていうものがあって、そこでもがく女性像までは浮かぶんですけど、何かをまだ見つけられていない感覚が僕の中であって。気づけば、1番リピートして聴いた曲です。もう歌えるような気がしますね笑

ひとつ言えることは、繰り返し聴いて正解だったということ。なんか、聴いていると色々な情景が脳内に流れてきて、それが必ずしも一定ではないので、そうやって少しずつ噛み砕いていくべき曲なのかもしれませんね。

レビュー後編【9~12曲目】

■9. スキップトラベル(作詞:畑亜貴 作曲:川田瑠夏)

これは、やりたいことがあるのに、色々事情があってできていない人に対する、畑亜貴さんからの「色々考えているばかりじゃなくて、さっさと旅に出ちゃいなよ!」というメッセージです。なんかこう、聴いたあとものすごく後押しされたような気がしました。確かに仕事とか色々あって、人生って好きなことばかりできるわけじゃないですけど、中にはそれを言い訳にしてしまっている部分もあるんじゃないかなと思うんですよね。結局、自分で理由をつけてやっていないだけなんじゃないかと。なんか、はっとさせられましたね。いやはやほんと、さすが畑亜貴さん、すごい詞を作るものです。神ですね。

ただこの曲は、メロディーも非常に良いんです。明るさのなかに自然ののどかさみたいなものも感じられて、「スキップトラベル」というタイトルイメージにぴったりです。どことなく可愛さもあって良いですよね。

■10. 光のはじまり(作詞:南條愛乃 作曲:未知瑠)

きましたシングルでめちゃくちゃ聴いたこの曲。とにかく僕の印象としては「かいちょーすげー!」の一心であり、それというのも本当にこの曲はキーが高い。バースデーライブの感想動画内でも同じことを言ったような気がしますが、曲のラスト、「僕等が創り出す 未来」の部分は、あまりの高さに聴いているこちらまでちょっと苦しくなりつつ、でもそんな高音をさすがの透き通った声で歌い上げるかいちょーに、ただただ感服するばかりです。バースデーライブにて生で聴いて、なおさらそう思いました。

かいちょーが作った詞もとても前向きで良いですよね。「がむしゃらがいい」「なんだって出来るはずだよ」といった歌詞に背中を押されるとともに、そうした努力の先にある未来、将来がまさに「光」のようにきらきらと目に浮かぶようです。その世界観を支えているのが未知瑠さんの曲で、詞、曲、歌声が非常によく作用しあった名曲だと思っています。

■11. Latest Page(作詞作曲:しほり)

聴いていて、人生を感じる曲だなと思いました。これまで生きてきた中で、不安だったり、悲しかったり、自信を失ったり、立ち止まったりもしたけれど、それらが結局今の自分に繋がっていて、それがあったからこそ今の自分がここにいるんだ、みたいな。そしてきっとそれはこれから先も同じで、だったら今後、しんどいことや傷つくことがあっても、前を向いて歩いて行こう、それが将来の自分を作ることになるんだ、っていうメッセージですよね。非常に力強いなあと思いました。

「吸収するごとに 生まれ変わる 自分更新していこう」っていうフレーズがすごく好きで、僕も、色々経験を重ねて、取り入れて、自分をアップデートしていかないとなあと思いました。最後の歌詞にあるように、「今日が一番幸せだよ」って思える人生だったら、それってすごく素敵ですよね。

■12. ・R・i・n・g・(作詞:南條愛乃 作曲:丸山真由子)

僕が最初にこの曲に触れたとき、問いかけが多い曲だなと思いました。冒頭の「ねぇ ほら見て」だったり、「覚えてる?」だったり、「鼓動 伝わるかな?」だったり。だから僕は自分に都合良く解釈して、「これはファンに向けて歌ってるんだ」と思って聴いていたのですが、……どうやら巷では「南條愛乃結婚説」が流れていたりして、ちょっとざわざわしていたみたいですね笑

確かにそういう視点で見てみると、「繋いだ手の熱さが 忘れられない」だったり、「一緒に巡った足跡」だったり、「この想い 多分褪せないね」だったり、なるほど、確かにその解釈もできるなあと思いました。

ただ、やっぱり僕としては、所々にちりばめられた「夢の話」、「隣にいなくても 大丈夫だよ」、「私たちの軌跡」というフレーズから、どうしてもファンと紡いできたここまでの「南條愛乃の活動」を振り返っているような気がしていて(「かいちょー」と「結婚」が僕の中でイメージとして結びつかなかったというのもあります笑)、そしてどうやらそれは、結果的に当たりだったようです。

「・R・i・n・g・」というタイトルには点が5つ打ってありますが、これでソロ5周年を表現したとのこと。つまりかいちょー的には、この5年間を歌に込めた、というわけですね。僕としては、かいちょーも33歳になったことだし、そろそろ結婚してくれても全然良かったのですが(もちろん、前述のとおりそんなイメージが全くないので、そうなったらものすごい驚きますけど)、まあひとまず、ファン的には安心といったところでしょうか笑

さて、それを踏まえて聴き直してみると、振り返りもありつつ、今後の活動に向けたかいちょーの意欲も感じられる良い曲ですよね。「まだ知らない行き先もあるんだろうな 絶対楽しい思い出ができる もっと 感じてみたい」なんてところはまさにそれが表れていると思います。僕もまた、かいちょーを応援することで楽しんでいきたいと思っているので、今後ますますの活躍に期待です。

ところでかいちょー、いつ結婚するんだろ。

おわりに

ということで、読みやすさを求める意味も込めて、せっかくなので「3」つに分けてレビューを書いてみました。ただ、長くなると想定していたものの、それをさらに超えて長くなってしまって、結果的に日付をまたいでしまったのは申し訳ない限りです。妥協なく書きまくったら間に合いませんでした。

さて、今回のレビューですが、読んでいただいたら分かるように、かいちょーの想いとかもところどころに書きましたけど、基本的には僕自身の印象とか感想を大事にして書いたつもりです。

その分、おそらくは皆さんが抱いた感想と食い違う部分があったことでしょう。でも、それはそれでいいと思います。受ける印象は個人で違いますし、きっと、いつ聴くかによっても違います。

僕が楽しみなのは、いよいよ30代になったというタイミングでこのアルバムを聴いたとき、どんな印象を受けるかということです。この先どんな人生を歩むのかは分かるはずもありませんが、過ぎた時間の分だけ、何かが僕の中に蓄積されているはず。そのときの僕と今の僕、その違いを比較したいなという思いも実はあって、だからこそ今の自分の感性を大事に、この記事を書きました。

将来の僕は、今の僕とは違う曲を一番良いと感じるのか。はたまた、そこは変わらないのか。……そういうのも含めて、楽しみです。

今年25になるので、あと5年ですか。できればたくさん経験を積んで、このアルバムを聴きたいですね。

「タイムカプセル」

うん、なんというか、あれに似た楽しさもくれたアルバムだなと思いました。そういった意味でも楽しめるなんて、ものすごいアルバムですね「サントロワ∴」。かいちょー、そして制作、販売に携わった全ての皆様、本当にありがとうございます。

もし良かったら皆さんも、自分の今の感想を記録して、「タイムカプセル」、やってみてください。

それでは今日はこの辺で。

明日は……いや、今日は、かな。【特典CD&特典映像編】をお届けします!

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