ありがとう、ヤマグチノボル先生――『ゼロ魔』最終巻を読んで

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    「えぇええええええッ――――――!!!!??」



     



     最後の一行まで読み切ったふぁいんは思わずそう叫んだ。とはいえ、時刻は深夜一時半を回ったところ。きちんとご近所さんへ配慮して、ボリュームを極限まで落としたささやき声での叫びである。



     ふぁいんがウィスパーボイスを駆使してまで夜中に声をあげたのには理由があった。



     それは約二時間前のこと――



     



    「さて……いよいよ、読みますか」



     



     二〇一七年三月八日。二三時。



     ふぁいんは、十日ほど前から机上に置いたままの一冊の本と向き合った。



     『ゼロの使い魔』最終巻。「ゼロの神話」という、実に最終巻らしい副題のついたライトノベルである。



     



    (いよいよ、ルイズとサイトの物語が伝説……神話になるんだ)



     



     初めてこの本を手にしたとき、ふぁいんはそんな感慨に包まれた。



     『ゼロの使い魔』が伝説になる。ついに終わる。



     そう思うと、それを読める喜びと同時に完結してしまう寂しさがこみ上げてきた。さらには天国の作者、ヤマグチノボル先生への感謝その他の思いも加わり、複雑な気持ちになった。



     心の大渋滞。



     結果として、本来であればすぐ読むはずだった気持ちは揺らぎ、仕事などの忙しさもあって、読むまでにこんなに時間を空けることとなった。



     



    「……ルイズ、ありがとな」



     



     机を見下ろすかたちで本を見つめていたふぁいんは、一人、その表紙に向かって呟いた。事情を知らない人が偶然この光景を目にしたならば、他に誰もいない部屋でライトノベルにお礼を言う姿にぎょっとしたかもしれない。だが、ふぁいん自身にとっては、それはごく自然で、率直な感謝だった。詳しく全ての思いを書き記すことはできないが――言葉にできない部分がそもそも多すぎる――間違いなく言えるのは、ルイズが、『ゼロの使い魔』がふぁいんという人間を形成する上で外すことのできない、かげかえのない存在だということだった。



     ふぁいんは本を手に取った。ベッドの傍にあるライトをつけてから部屋の電気を消すと、そのまま毛布と掛け布団にくるまった。



     今一度表紙を見る。ルイズが幸せそうにしている。サイトも幸せそうにしている。それだけで良い予感がした。



     ふぁいんはついに、大好きなこの物語の、「終わり」を始めた。



     



     



     



     



     



    記事後半に続く。なお、ここからはネタバレを含みますのでご注意ください。





    なんか優しい気分になれた漫画三作品

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      どうもこんばんは。暇な時間があるとニュースアプリで記事を読む癖があるふぁいんです。


      読むのはもっぱらガジェット系の記事。こんなPC、こんなカメラが出たーとか、今こんな技術が注目されているよ―とか、そういうのを読んで、「なるほどなあ、今の技術すげぇなあ」って思うのが好きです。不思議とあんまり詳しくはなりませんが、いい商品があると物欲をかき立てられて、働く意欲につながりますね。


      そしてもうひとつ読むのが、本を紹介した記事。最近僕のなかでできつつあるのが、

      本の記事を読んでその本を読みたくなる

      電子書籍ストアでさがす

      ポチって即読み


      という流れでして、これがねー、素晴らしいんですよ。


      電子書籍が主流になる前は、読みたい本を見つけても、本屋さんへ行って買ってこなければ読むことができませんでした。そのため基本外出に対して後ろ向きな僕は、それが相当読みたい本でない限り実際に買うことはなくて、結果として「名作との出会い」を逃してきました。


      しかし今はそれがない。たとえ深夜に読みたくなったとしても、ストアにあれば即読めるんです。おうちから、ベッドから、一歩も動かず指の動きだけで本を入手できます。なんとまあ夢の様な話ではないですか!


      というわけで今回は、そんな流れで衝動的に買って読んだ電子書籍の中で、ここ数日で読んだ「なんか優しい気分になれた漫画」を三作品ご紹介しようと思います(前置きなげーよ!)。

       

      服を着るならこんなふうに/縞野やえ,MB



      まずはこちら、ファッションに関して全く自信のない男性におすすめしたい一作。

       
      基本がわかれば、オシャレはきっと楽しくなる!

      サラリーマンの兄と女子大生の妹。そんな兄妹が繰り広げるファッションよもやま物語!
      普通の服を普通に着こなしてオシャレになれる、学校もファッション誌も教えてくれない、オシャレの基本と近道をコミックでお届けします。
      WebNewtype公式ページ紹介文より引用)


      紹介文にあるとおり、この作品はファッションの基本を分かりやすく教えてくれる一作となっています。企画協力者のMBさんは簡単に言うと「おしゃれのプロ」らしいので、そのまますぐ使える知識が詰まっていると言っていいでしょう。


      何よりもいいところは、この作品が「漫画としてしっかり面白い」というところ。


      兄の佐藤祐介がファッションに悩む様は共感できますし、妹の環ちゃんは可愛いしということで、キャラクターが魅力的。仲の良い兄妹の様子にほっこりします。


      「俺にはファッションセンスはない。それが俺を外に出るたびに苦しめるんだ」

      「格好いい服がどんなのかはわかるんだよ! でも超高いんだよ!!! なら俺はゲームを10本買う」



      この祐介のセリフに共感した人は、ぜひ読んでみてください。そうすればきっと読後には、


      「ユニクロでも良いんだ……」


      という安心感に浸れることでしょう(笑)


      公式ページで、無料で読むこともできます。

       

      たくのみ。/火野遥人



      続いては、ついついお酒が飲みたくなる一作。


      「ほろよい女子がお酒を語らう4コマコメディー」


      というキャッチコピーのとおり、シェアハウスで暮らす女性4人がお酒を楽しく飲むゆるーい漫画です。


      実際に売っているお酒が登場し、それを素敵な女性たちが美味しそうに飲むのでそそられます。僕が飲みたくなったのは、「水曜日のネコ」というホワイトビール。ビールが苦手でも飲めるような感じでしたので、ちょっと興味あるなーと思いました。


      ビールって、最初の一口は美味しいんですけど、それ以降はそんなに……って感じるのは僕だけでしょうか。意外と一缶飲むのも大変なんですよね、僕からすると。そんな僕でも美味しいのか、見つけたら試してみようと思います。


      また、この漫画に登場する4人は当然全員成人しており、4人中3人は働いているということもあって、「働く大変さ」みたいなのもちらっと描かれていて、その点も僕は好きでした。疲れて帰ってきて、楽しく飲んで次の日頑張る。いいなあこういう関係、と思わせられる作品で、ほのぼのします。


      お酒好きの方、お酒を飲む女性が好きな方、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。


      裏サンデーの作品ページでも読むことができます。

       

      亜人ちゃんは語りたい/ペトス



      最後は可愛く元気な亜人(デミ)ちゃんを楽しめる一作。


      結構前から話題になっていた気がするので、ご存じの方は多そうですよね。特に、いわゆる「人外」が好きな人は気になって読んだという方もいるのではないでしょうか。
       
      サキュバス、バンパイア、デュラハン。僕ら人間とちょっとだけ違う、それが「亜人」。
      そんな亜人の生態に興味を持つ高校生物教師・高橋鉄男と、生徒である「亜人」ちゃんたちとの少しだけ刺激的な新学期がスタートした!
      WEBヤンマガ公式ページより引用)


      という紹介文から分かるように、個性豊かな生徒の亜人ちゃんと、亜人に興味がある教師を描いた作品となっております。


      登場する亜人ちゃんは4人。


      明るく元気、レバーとトマトジュースが好きなバンパイアの小鳥遊ひかり。


      さみしがりやな一面があり、頭を抱きしめてもらうのが大好きなデュラハンの町 京子。


      暑さが苦手で、感情によって冷気が出ちゃったりする雪女の日下部 雪。


      そして、必死に抑えるも時々サキュバスの魅力が出てしまい他人を催淫してしまう数学教師(恋愛経験はゼロ)の佐藤早紀絵。


      いずれも可愛いのですが、僕が好きなのは町 京子ちゃんと佐藤早紀絵先生ですかね。京子ちゃんは実は甘えたがりで女の子らしい感じが非常に良く、早紀絵先生は、サキュバスなのに恋愛経験ゼロという設定が非常に魅力的だと思います。


      この作品も公式ページにて1話から4話まで読むことができるので、皆様も自分の好きな亜人ちゃんは誰か、読んでみてください。

       

      おわりに



      今回のこの記事を通してお気づきかと思いますが、電子書籍の普及によってなのか、WEB上で無料で読むことのできる漫画が非常に増えたと思います。


      気になる作品を検索すると、公式ページで1話(全てまたは一部)を公開しているものが多く、実際にちょっと読んでから買えるというのは失敗が少なくて良いような気がしますね。


      また、電子書籍はデジタル媒体で読みますので、灯りがなくても読めるというのは地味に便利。ブルーライトの問題があるので目には良くないかもしれませんが、ライトを点けたり消したりする手間がない分、寝る前に読むのには適している気がします。


      ただ、そんな電子書籍にも気をつけなければいけない点があって、それは「買いすぎ注意」ということです(笑)


      実際に「物」としての本を現金で買うわけではないからか、どことなくお金を使っている実感が薄く、ついついポチポチ買いすぎてしまいます。あまりやりすぎると、翌月請求がとんでもないことになってたなんてこともあるかもしれないので気をつけてください。


      ……いや、正直これは僕自身に言っています。気をつけよう(笑)


      それでは今日はこの辺で。また面白い作品と出会ったら、随時書いていこうと思います。




       

      久しぶりにルイズに逢えた――『ゼロ魔』21巻発売

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        20巻が発売されてから5年。


        『ゼロの使い魔』という作品に魅了された僕たちは、ずっとこの日を待っていました。


        2013年4月4日の訃報で一度は諦めかけつつも、我々は、どんなかたちでもいいから『ゼロ魔』の続きを読みたいと願ってきたのです。


        ――その夢が今日、実現しました。





        ヤマグチ先生には感謝でいっぱいです。『ゼロの使い魔』を生み出してくれたこと、病と闘いながらも、その続きをこういうかたちで届けてくれたこと。……本当は、「ヤマグチノボルの書くゼロの使い魔」を最後まで読みたかったですけど、そして、ヤマグチ先生だって最後まで書きたかったでしょうけど、でも、嬉しいです。


        今作でのルイズは相変わらず可愛くて、ちっちゃくて(どこがとは言いません)、とっても魅力的でした。基本的にデレ期なので、サイトといちゃいちゃもしています。それが可愛い。ツンデレの持つ「ツンとデレのギャップ」をほとんど失い素直になったというのにこんなにも可愛いのは、本質的にルイズが可愛いということでしょう。それでいてCV釘宮理恵。脳内再生当然。魅力カスタム。なんというチートキャラなんでしょうか!


        ……いや、すみません。CVとか脳内再生は小説そのものには関連性が薄かったですね。こっち(釘宮病患者)の話です。


        当たり前のようにルイズの話から語り始めましたが、もちろんストーリー、そして兎塚エイジ先生のイラストにも大変楽しませていただきました。今回は、<六千年の真実>というサブタイトルのとおり、今まで明かされなかった真実、「始祖ブリミル」の秘密へと迫っていっています。アニメ版で一応完結した『ゼロ魔』ですが、それとは違った展開にわくわくします。近頃、現代ものを多く読んでいたのですが、ファンタジーのこのスケールの大きさ、やっぱり良いですね!


        そして、兎塚先生のイラストがその物語に視覚的な華を添えています。詳しくはネタバレになるので書きませんが、サイトのピンチにかけつけたあの「ルイズ降臨」のシーン(と勝手に呼んでいます)、震えましたね。感動の再会に興奮がこみ上げるあまり、僕もサイトのように、ルイズを抱きしめたくて仕方なくなりました。……いや、すみません。実を言うとわりといつでもルイズには抱きつきたいです。それはそれとして、あの部分のイラストは機会があれば、カラーで見たいですね。ポスターとかにして貼っておきたいです。


        とにもかくにも、まとめると「21巻面白かった」の一言になります。それはつまり、問題なく楽しめたということで、もっと噛み砕けば、「ヤマグチノボルが書いていない」ことへの違和感は、心配していたほどなかったということです。


        ……正直に言えば、ほんのすこしだけ、「なにか違う」という思いを抱いた箇所はありました。それはもしかすると僕の先入観によるものかもしれませんが、どことなく、なにかがちょっと違うような気はしたのです。


        しかしながら、99.9%『ゼロの使い魔』だったと思います。結局、誰が書いたのかは明かされませんでしたが、「実はヤマグチ先生が生き返って書いたんだ」と言われれば、「なんだそっか、なにか違う気がするとか書いて恥ずかしいなあハハハ」と笑って信じるくらいには今までどおりの『ゼロの使い魔』だったような気がします。見事です。見事な仕事です。


        でも今回、結局この発売までに『ゼロ魔』を読み返すことはできなかったので、もしかして1巻から通して読むと、違和感はあるのかもしれません。でも、仮にあったとしても、僕はこの21巻をここまでのクオリティに仕上げた方に対して文句を言うつもりはないですし、言うとしたらむしろ、「書いていただきありがとうございます」という感謝のみです。あと、するとしたらその方の著作を買います。そういう意味では著者の方、知りたいような気がしますね。次巻では明かされるのかどうか……このまま明かさずに、あくまで「著者・ヤマグチノボル」で良い気もするので、ちょっと複雑な心境ですが、それも含めて楽しみに待とうと思います。


        最後に。


        この21巻の発売は多くの方々が尽力なさった結果なのだと想います。関わった全ての方に、伝わる伝わらないは関係なく、この場を通じてファンとしての感謝を述べておこうと思います。まず伝わらないですけど、でも、書かずにはいられません。


        冒頭で、夢が実現したと書きましたが、僕にとってこの21巻の発売は、ヤマグチ先生が亡くなってしまってからというもの、本当に夢でした。


        ゼロの使い魔は僕が最初に買ったライトノベルであり、僕をツンデレ貧乳ニーソ好きにした原点であり、そして釘宮病をこじらせた根源なので、つまりそれは「今の僕」を構成した大きな要素のひとつであるということです。


        僕の人生にとって欠かせない一作だからこそ、ヤマグチノボル先生が亡くなったと聞いた時はショックでしたし、ルイズたちの物語が再び動き出すと知ったときは本当に嬉しかったです。


        ――人生で最も大きな影響を受けた一作と言っても過言ではない作品、『ゼロの使い魔』。


        今回も大いに楽しませていただきました。ありがとうございます。


        そして、次巻も大いに楽しみにしています。





        ふぁいん




         
        ヤマグチノボル
        KADOKAWA/メディアファクトリー
        ¥ 626
        (2016-02-25)


        相変わらずみんな可愛い……"独唱『緋弾のアリア』こぶいちアートワークス"を入手

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          この記事は果たして「書評」カテゴリでいいのか。そして写真が思ったより暗い……(笑)


          それはそれとして。


          どうもこんにちは、僕です。


          今回はイラスト集、画集のお話。表紙のアリアが可愛い2冊のうち、左の赤い冊子のほうについて少しばかり書かせていただこうと思います!

           

          独唱『緋弾のアリア』こぶいちアートワークス




          さて、まず質問ですが、この記事にたどり着いた皆様は、どのタイプの方でしょうか。


          『緋弾のアリア』という作品のファンの方ですか?それとも、作品は読んだことがないけれどこぶいち先生が好きという方でしょうか。それともそれとも、『緋弾のアリア』もこぶいち先生も知らないけれど、貧乳低身長ツインテールツンデレが好きだという愛のあまりいつの間にかこの記事へ来ていた方ですかね。


          最後の方でしたらわたくし、その愛に尊敬の念を抱きます。あなたは素晴らしい。ぜひ『緋弾のアリア』を読んでみることをおすすめします。……が、きっとそんな方はごくごく少数でしょう。


          多くの方はきっと、『緋弾のアリア』読者でこぶいち先生の可愛いイラストが大好きな方だと思います。ですから、おそらくこのイラスト集をすでに買われている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。


          このイラスト集『独唱『緋弾のアリア』こぶいちアートワークス』は、先月25日に発売したばかりの1冊で、『緋弾のアリア』のイラスト集としては4年ぶり2冊目となるものです(前回のイラスト集『緋弾のアリア Illustrations こぶいちart Works.』の発売が2012年で、意外と時間が経っていたことに僕は驚きました)。


          掲載内容は、
           

          ・描き下ろし特大ピンナップ
          ・MF文庫J『緋弾のアリア』シリーズ掲載イラスト
          ・月刊コミックアライブ表紙など文庫未収録イラスト
          ・未公開キャラクターデザイン
          ・赤松中学書き下ろし『緋弾のアリア』短編小説
          (冊子付属の帯より引用)


          となっており、めくっていくだけで『緋弾のアリア』という作品の歴史をたどることができる1冊になっております。


          巻末には原作者である赤松中学先生とこぶいち先生、両者によるイラストコメントも掲載されていて、各イラスト一言ずつと短いですが、おふたりがイラストに対してどのような感想を抱いたのか、どういう思いで描いたのかを知ることができます。


          本人たちの感想はなかなか知ることができませんから、これは結構楽しいです。特にお二方の変態性趣味嗜好が垣間見えるのが良いですね。


          また、僕個人的に楽しみだった赤松中学先生の書き下ろし小説は、前回の『緋弾のアリア Illustrations こぶいちart Works.』を持っていればより一層楽しめるようなものとなっております。


          ざっくり言ってしまうと、「明らかなフラグがばんばん立ってって結果としてそれを予想通りに回収してくれる」作品という感じでしょうか。読み始めてまもなく着地点が見えて、それを期待しつつ読み進めるとその期待に応えた結果がちゃんと待っています。イラストワークスのおまけ的な短編として、しっかりおまけ的に書いてくれたとでも言うような、そんな感じです。


          気になった方はぜひ購入してみてはいかがでしょうか。

           

          ちょこっとだけ残念な点



          最後に、僕がひととおりこの作品を見て感じた惜しい点をひとつだけ挙げたいと思います。


          それは、今回は前回のものと比べて、見開き2ページにわたって1枚のイラストを掲載している部分が多かったという点。


          そうなると、本はその形状上、フラットに見開くことができませんから、どうしてもページとページの合間の部分(「のど」というらしいですが)そこが見にくくなってしまいます。


          イラストをしっかり楽しみたい身としては、ちょっと残念なポイントでしたね。その1点のためだけに、電子版が欲しくなりました。電子書籍では、そこのストレスなくイラストを楽しむことができますからね。現在、電子版は存在しないようですが、もし今後発売されるようなら、買ってしまうかもしれません。それくらい惜しい点でした。イラストが素晴らしいだけにね。


          しかしそれでもトータルで見れば、ファンには買って損のない1冊だと思います。


          『緋弾のアリア』の可愛い女子たちを楽しめますよ!


          それでは、ふぁいんでした。


          ちなみに僕はメヌエットが好きです。いや、みんな好きなんですけど。




           

          書評『乙女座の君へ』鏡リュウジ

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            はじめに、書評、などという言葉を使いましたが、それは一目見て分かりやすく、かつクールな印象のある熟語を選んだ結果そうなってしまっただけで、実際には「感想文」と言うべきレベルのものであることを断っておきたいと思います。


            本に対する批評文が一般的にどのように書かれるものなのか分からないのですけれど、あくまで僕は僕の言葉で、僕の思ったことだけを書きたいと思います。気軽に書く文章です。気軽に読んで頂ければと思います。


            さて、今回僕が読んだのは『乙女座の君へ』という本。筆者は鏡リュウジさんという方です。本の末尾にあった筆者紹介によれば、心理占星術研究家であり、翻訳家でもある方だそうで、どこかで聞いたことがあるような方ではあるのですが、もしかしたら気のせいかもしれません。


            内容は、「乙女座」というひとつの属性を主題とし、「乙女座というのはこういう人である」を語り、「乙女座のあなたはこういうふうに考え、時にこういうふうに悩むのではないですか?」と問いかけ、「そういうときはこうするといいですよ」と31の言葉で元気づけてくれる、そんな本となっています。


            正直僕は普段、この手の本を読むことはありません。なぜなら、星座とか誕生日とか血液型とかに基づく分類・分析について、懐疑的な部分を持っているからです。しいて言うなら血液型に関しては、人体に関する部分での分類ですので、もしかしたら生物としての違いがあるのかもしれないとも思えるのですが、生まれた日、それによって決まった星座によって自分の性格や考え方に影響があるとは考えにくいと思ってしまいます。そういう部分を持つからこそ、積極的に今回のような本を手に取ることはまずないのです。


            ただ一方で、こういう本が嫌いかといえばそうでもありません。もちろん、すべてを鵜呑みにして「自分はこういう人間なんだ」と思うことはありませんが、確かにそういう部分もあるのかもしれないなと自分を見つめる機会にはなりますので、「自分」について考えるのが好きな僕はどちらかというとむしろこういう本は好きです。この手の本は「あなたにはこんな良いところがありますよ」と励ましてくれる場合が多いですから、それが本当かどうかは別にするとしても自己肯定的な気分になることができます。やる気を起こしてくれる部分も確実にあると感じていますので、考えてみると読んで損はないのかもしれません(とはいえ、前述したように僕はこういう本に懐疑的ですので、やはり積極的には買うことはないと思いますが)。


            今回この本は、先日の誕生日に、妹にプレゼントとしてもらったものです。誕生日ということで、それに関わるような本を選んでくれたのかもしれません。もしくは、同時にもらったあの話題作、ピース・又吉直樹さんの『火花』がメインで、これはおまけくらいの感覚だったのかもしれません。結論を言えば、おまけとしては非常に優秀な本だったのではないかと思います。ではこれから、僕がこの本を通じて何を得たのか、それをお伝えしていきましょう。

             

            僕の目的を果たしてくれた本



            この本によれば、乙女座は「美しさ」を大事にし、それを求めているようです。常に完璧を目指し、自分のなかのルールやこだわりを重んじ、それを根幹として生きているのがこの星座のもとに生まれた人間なのだと述べておられました。


            確かにそういう部分はあると思います。「完璧」であることがすなわち「美しさ」であり、そういう人間でありたいと理想像を描いて、そうあろうとしている節はあると思います。


            ただ、僕の考えでは、全ての人間がそうなのではないかと思うので、正直言って上記したようなことが乙女座の特性であり、強みであるとは思えませんでした。だって人間なら誰しもが、各々の理想を多かれ少なかれ持っていると思いませんか?その理想は各々にとって間違いなく憧れで、美しいものだと思いませんか?それを目指して生きるのは普通のことだと思いませんか?


            だから、僕にとってやはり乙女座がどうこうという部分は、どうでもいいと言ってしまっても良いと思える部分でした。そんなことよりもこの本の良かった点は、僕が予想したとおり、また、僕がこの本に求めていたとおり、僕に元気をくれたということです。この本は「乙女座の君」というかたちで僕を褒めてくれました。「こういうところで悩むことを知っているよ」と僕に寄り添ってくれました。それが真実かどうかはこの際どうでもいいことなのです。単純に、人に肯定されて嬉しい。その嬉しさを感じられただけで僕は満足でした。前述したように僕がこの手の本に抱いている印象は、「それが本当かどうかは別にするとしても自己肯定的な気分になることができ」るということであり、そうなることを望んで読みましたので、実際に思ったとおりの結果が得られただけで良かったと思っています。

             

            「自分と同じ」人間の言葉



            この本のもうひとつのポイントには、章の狭間に乙女座の著名人の言葉が載っているということが挙げられると思います。僕は、それぞれがそれぞれの考えで生ききった、あるいは生きている人間の言葉が大好きです。彼らの発言、彼らの哲学には、その人生に裏付けされた重みがあります。彼らの人生そのものがその言葉の根拠となっていますので、やはり力があると思います。そういったものに触れるのが大好きなのです。


            今回は本のなかから、2人の方の言葉を紹介しておきたいと思います。





            成功とはただ一つ。自分の人生を自分の流儀で過ごせることだ。/アガサ・クリスティ

            完成できたほうがいいにはきまっているが、できない人だってあるんだ。わたしは失敗に終わってしまった。しかし、完成を心にえがきながら、ずっと楽しく生きてきたよ。/星新一






            自分は自分らしく、自分に基づいて生きる。


            完成、完了、最後までやりきることも大事で、できるのであればそのほうがもちろん良いが、それだけが全てではない。楽しく生きることも大切だ。


            僕は、そんなふうにこれらの言葉を解釈しました。これらは僕自身が大切に思っていることで、だからこそ都合よくそんなふうに捉えた部分もあるかもしれませんが、とにかくこれらの言葉は僕の考え方を非常に強い力で肯定してくれるものとなりました。


            特に星新一さんは僕の大好きな作家のひとりです。そんな彼が、僕と同じ乙女座であることも嬉しかったですし(彼の星座までは着目したことがなくて今まで気付きませんでした)、僕と同じとはいかなくても近い考えを持っていることは励みになりました。


            上記した言葉に出会えたことが、この本を本で得たひとつの大きなことです。

             

            サンクチュアリ出版について



            以上がこの本を通して僕が抱いたことの全てですが、最後に蛇足として、この本の出版社であるサンクチュアリ出版について少し書きたいなと思います。


            サンクチュアリ出版は、本を読まない人のための出版社なのだそうです。だからなのかは分かりませんが、この本は確かに実質的な内容の密度は高くなく、活字がぎゅうぎゅうに詰め込まれた本に比べると、だいぶあっさりと読める本でした。それでいて、少なくともこの本には得られるものがきちんと込められていた。出版社のコンセプトを知ったとき、なるほどと思える本だったと思います。


            本を読まない人のために本をつくる。それは、きっと楽しいことでしょう。実際のところ、本を読まない人は文字通り本を読まないわけですから、そういった人にどれくらいサンクチュアリ出版の本が届いているのか分からないという部分はあります。でもそれはそれとして、本を読まない人に本を届けようという目標のもとで仕事をするというのは、確かなやりがいをもたらしてくれるような気がするのです。だって、興味を持たない人に興味を持たせるというのはなかなか難しいことなのですから。


            そういう意味で、僕はおもしろい出版社だと思いました。


            この記事の末尾にリンクを貼っておきますので、気になった方は見てみてください。「クラブS」という定期購読サービスには、少しだけ惹かれるものがありました。毎月、この出版社の新刊が基本的には1冊ずつ届くというサービスのようです。年会費は12000円(税別)なので、12冊の本(この出版社では基本的に1ヶ月に1冊刊行らしいので12冊ですが、それ以上刊行した場合には13冊以上届く場合もあるのだそう)が届くことを考えると別に安いわけではなく、極めて妥当なお値段ですが、毎月新刊が贈られてくるということは、普段なら選びそうもない本が贈られてくる可能性が高いということです。それっておもしろそうですよね。自分の興味の外から、知らなかったことが飛び込んでくるということなのですから。


            ……まあ、そうは言っても僕は、定期購読はしませんけどね(笑)


            ではではこの辺で。このたび、思い切って「書評」カテゴリを新設してしまったので、本離れが進んでいた僕ではありますが、これからは少しずつ本を読もうかなと思います。そして、書きたいと思った本については記事にします。


            See you again!





            「サンクチュアリ出版」リンク 




             

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