ラノベの"はじまり"並べてみた

はいどうもこんばんは、僕です、ふぁいんです。
またもや記事を書くのが久しぶりになってしまいました。その間に、季節がすっかり秋になり、服装が半そでから長袖に変わったりしましたけれども、皆様この秋をいかがお過ごしでしょうか。
僕は、まあ秋だから、とかは特に意識していなかったのですが、なんとなく本が読みたくて、買ったはいいものの読まずに積んであったライトノベルを読んで、ここ最近の休日を過ごしています。それ以外には正直寝ているだけなのですが、たった1冊本を読んだだけでその日の充実感、心の満たされ方が違うので、結構大きな要素だったりするんですよね。
そんな日々を過ごす中で、僕はふと、ライトノベルの"はじまり"について気になり始めました。シリーズとして何冊も続く場合が多いライトノベルの"はじまり"、つまり、1巻の最初の1文はどういう感じだったろうか、ということですね。
というわけで今回は、僕が持っている数少ないライトノベルの冒頭文をそれぞれ並べてみようと思います!
 

ラノベ冒頭文一覧!(タイトル五十音順)

□灼眼のシャナ(高橋弥七郎/いとうのいぢ)

"その日。"

[ふぁいんさんの一言]
外伝含め全26冊にも及ぶシリーズのはじまりは、ごくごく短いものでした。これが、長くて、登場人物が多くて、途中から誰が誰だか正直わからなくなってくる(でも面白いですよ!)作品の最初とは。面白いですね。
□涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流/いとうのいぢ)

"サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが、それでも俺がいつまでサンタなどという想像上の赤服じーさんを信じていたかと言うとこれは確信を持って言えるが最初から信じてなどいなかった。"

[ふぁいんさんの一言]
非常に多くの人がこの一文を読んだことがあるのではないでしょうか。あるいは、アニメ1話はこの文章そのままに始まったような記憶があるので、耳にしたことがある方はもっと多いかもしれません。はじまりから、小さなこどもの夢を壊していく一文です。しかし、現実を生きながらひそかに非現実的なことに憧れがある主人公の性格をよく表した"らしい"一文のような気がしますね。
□ゼロの使い魔(ヤマグチノボル/兎塚エイジ)

"「あんた誰?」"

[ふぁいんさんの一言]
続刊が待ち遠しいこの作品のはじまりは、ヒロイン・ルイズの一言から始まっていました。僕のような釘宮信者はもちろんこの一文を見た瞬間に釘宮ボイスで脳内再生されます。ついでに怪訝そうなルイズの表情も浮かびます。そしてきゅんきゅんします。……それはさておき、台詞から入るパターンでしたね。主人公とヒロインがその瞬間初めて出会ったことが読み取れる、いかにもはじまりっぽい一言な気がしました。
□とらドラ!(竹宮ゆゆこ/ヤス)

"――この世界の誰一人、見たことがないものがある。"

[ふぁいんさんの一言]
さすがにこの一文は覚えていました。僕なんかが見ると、ちょっと鳥肌が立ってしまう素敵な一文です。「お、なんだろ」と思わせるとともに、どことない壮大さを感じさせてくれる、"引き込まれる一文"だと僕は思っています。この作品を読んだことがない方はぜひ読んでください、ほんとに。素敵な恋物語が待っています。
□緋弾のアリア(赤松中学/こぶいち)

"――空から女の子が降ってくると思うか?"

[ふぁいんさんの一言]
『とらドラ!』と系統が似ている気がする"引き込む系"冒頭文ではないでしょうか。いえ、決してどっちもダッシュを使っているからそう思ったわけではございません(笑)
これもアニメ1話でそのまま使われた一文ですね。空から降ってくるという躍動感あふれる登場(?)はアリアっぽい気がします。いきなり読者に語り掛けてくるというのは、印象的かもしれませんね。
□緋弾のアリアAA(赤松中学&チームアミカ/こぶいち)

"いまだ下町感の残る、中央区・勝どき――"

[ふぁいんさんの一言]
どうしようか迷ったのですが、あえて無印アリアとAA、両方紹介してみました。というのも、こちらは今までに出てきていない「地名」から始まるパターンだったからです。たった一文で、中央区ということは東京かな、じゃあ現代の話なのかな、と何となく物語の舞台が把握できてしまうというのはいいかもしれませんね。しかしまあAAの場合、おそらくは無印アリアを読んだことがある方が読んでいると思うので、そういう意味では効果は薄いのかもしれません。
□僕は友達が少ない(平坂読/ブリキ)

"最初に言っておくが、これは幻覚だ。"

[ふぁいんさんの一言]
主人公がいきなり幻覚を見ているという新しいパターン。物語の内容を知っているからこそこう思うのかもしれませんが、なかなか残念な始まり方のような気がします。しかし突飛な始まり方というのはつかみとしては有効でしょうから、良い一文ということになるのではないでしょうか、わかりません。
□やがて魔剱のアリスベル(赤松中学/閏月戈)

"本当は、心の隅では分かってたんだ。ずっと。"

[ふぁいんさんの一言]
3冊目となる赤松中学作品。しかもこれもアリアに関連してますから、とりあえず皆様には僕がアリアをどれだけ好きかが伝わってしまったことと思います(笑)
こちらは無印アリアと同じく、主人公のモノローグパターンですね。しかしアリアのように読者に語り掛けるわけではないので、微妙に違うパターンと分析できるかもしれません。いずれにしても、なんだろう、とは思うので、まさに「導入」――物語に導き入れる文章ではないでしょうか。
□DIGITAL EDEN ATTRACTS HUMANITY(櫂末高彰/ミユキルリア)

"悪魔が立っていた。"

[ふぁいんさんの一言]
五十音順でどこにいれようか迷った挙句最後に持ってきたこの作品。実は、面白そうだと思って発売直後に買ったものの未だ読んでいない(発売は2015年2月28日)ため内容を知らず、本当に今初めてこの一文を目にしたかたちとなります。状況を説明するパターン、とでも言えましょうかね、これは。何やら悪魔が立っているそうです。これが本当にいわゆる「悪魔」なのか、それとも誰か人間を比喩しての悪魔なのかが気になるところ。気になる、ということは成功なのかもしれませんね。今夜はこれを読んでから寝ることにしましょう。
 

考察

以上9冊を比較してみて、長かったり短かったり、モノローグだったり状況説明だったりと、たった9冊でもいくつかパターンが見受けられることが分かりました。それぞれにコメントをつけたのでもうあまり言うことはないのですが、こうして比べてみると面白いものだなあと思いましたね、僕は。それはもしかすると僕が一応物書きだからなのかもしれませんが、興味深かったです。
最近書いていないのであれなんですが、一応書く側からの話もしてみると、新しい物語の最初の一文というものは非常に苦労するものです。本当にまっさら真っ白なところに、はじまりとなる最初の一歩、最初の一文を書くわけですので、頭で物語がある程度できていても、なんとなくそれが「違う」ものに見えることが多々あります。
あれ、思ってるのと違うな。なんかしっくりこないな。そう思って、書いては消し、書いては消しを繰り返すこともあるんですよね。
……まさかそんな苦労しているのは僕だけ、ということはないはず、ですよね?(笑)
僕はある意味、最初の一文はその作品の色のような気がしています。この作品が何色になるか。それを決定づけ、作品の雰囲気を確定させる最初の一色。それが冒頭文なのではないかと。だから重要なのです。少なくとも僕は重要視しています。なにしろ僕は、最初の一文がしっくりこないと本当にその先に進めないタイプなのです。どういう言葉を選び、どこの描写から入るか。非常に悩ましい問題です。
だからこそ、今回の試みは僕にとって面白かったのかもしれません。ここまで読んだ方がいたら、あなたがどう思ったのかを教えていただけると嬉しく思います。単純に、この記事が面白かったのか否かをね。
それでは今日はこの辺で。ふぁいんでした。

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