自作小説

希望

どんよりとした空を、男はじっと眺めている。 朝から降り続いている雨は未だやむ気配がなく、どうしようもなく不快感を煽る重くてぬるい空気が、蛇のように男の体へとまとわりついた。ツー……っと、額から頬を伝う雫は、汗か雨水か。どちらとも構わないとば
日常

せっかくなので伝記としてまとめておいてほしいって話

どうも、ふぁいんです。推し活も創作も関わらない理由で記事を書くのは久しぶりのような気もしますが、すごく身内な話。父が60歳になりました。すなわち還暦です。還暦祝いはまた改めてというところもありますが、とりあえずお祝いメッセージを送ろうと思い
自作小説

お誘い

「あ、もしもし?」『もしもし? 直子なおこ?』「もしもし美貴みき? 聞こえてる?」『聞こえてる聞こえてる。えーマジ久しぶりじゃん直子! どしたの急に』「突然ごめん。実はさ、今度仕事でそっちに行くことになりそうなのよ」『え、仕事? うっそー、
釘宮理恵

釘宮理恵生誕祭2024~1本のアニメに古の釘宮ファンが沸き立った理由~

その日、釘宮ファンは思い出した。自身の脳が、不治の病に冒されていたことを。あの頃、釘宮理恵に熱狂したことを。どうもこんばんは、ふぁいんです。全世界の釘宮ファンの皆様、今年もこの日がやってきました。5月30日、くぎゅ様生誕の日でございます。私
自作小説

その魂に幸あらんことを

SE 波の音テテ「(繰り返し小声で祈る)ヴォクタレ・リ・ファルントソ……ヴォクタレ・リ・ファルントソ……」SE 近づいてくる足音テテ「(繰り返し小声で祈る)ヴォクタレ・リ・ファルントソ……ヴォクタレ・リ・ファルントソ……」SE すぐそばで立
自作小説

研究記録第六二二六七二

我輩のお名前は、メルティス=フォン=ティマ=(中略)=マナロード。人呼んで「魔道王」である。 極めに極めた魔法学を駆使して自分の領土を広げまくった結果、名前が長くなりすぎたため、いつもこのように名乗っている。言わずもがな、(中略)の部分は名
自作小説

意味

それは、人類の叡智えいちが輝きを増した時代。 人々はポリスと呼ばれる都市国家を形成し、共同で生活しながら、議論に明け暮れていた。「やはり誰かのいたずらではないのか」「いいや、奴隷が束になっても抜けなかったんだ。誰にも気付かれずに、そんなもの
自作小説

食わせ者

SE 木々のざわめきSE 雪の上を歩く猟師「ふう……あいつめ、ずいぶんと遠くまで逃げやがった。さすがに人間とは、走る速度が違いすぎるな」SE 雪の上を歩く猟師「だが、あいつはすでに何度も人里に姿を現している。冬眠し損ねた、危険なクマだ。まだ
自作小説

冬の時代

日曜日の夜。というより、日付が変わって月曜日となった、深夜二時過ぎ。 僕は泣きそうになりながら、布団にくるまっている。「働きたくない……働きたくない……働きたくない……」 早く眠らなければ、という焦りがいつしか労働への拒否反応へと変わって、
日常

Blueskyってなんなのか “分散型SNS版Twitter”が気になったので色々まとめてみた~

2024年2月7日、日本のSNS界隈が少しざわついていた。旧Twitter社の元CEO・ジャック=ドーシー氏が立ち上げた分散型SNS「Bluesky」が、誰でも登録可能になったというのだ。同SNSは、旧Twitter社がイーロン=マスク氏に
スポンサーリンク